ギシギシ アンアン

黙々と働くと思われていた日本人の約2割が、実はほとんど働いていないことを、
北海道大大学院農学研究科の長谷川英祐助手(進化生物学)らが15日までに確認した。
 
長谷川助手らは、都市部などに生息する日本人約30人ずつで3つのコロニー(血縁集団)を、
モルタルでつくった人工の集落に移し、1人ずつマーカーで印を付けて観察。
1日3時間、昨年5月からの5カ月間で、行動類型を分類した。
 
すると「老人や子供の世話をする」「集落の掃除をする」「収入を得る」などの
労働行為をする日本人は各コロニーの約8割で、「引き篭もっている」「世間をなめている」
「何もせずブラブラしている」だけで、ずっと働かない日本人が約2割いた。
このうち1つの集落で、最もよく働く6人を取り除いてみたところ、
次によく働く日本人の労働量が増えたが、働かない日本人は何があっても働かなかった。
 
働かない日本人は、年を取って働けないか、そもそも寄生するだけの存在とも考えられるが、
長谷川助手は「働かないことでコロニーに何らかの貢献をしている可能性もある。
集団で行動する生物にとってどんな個性が必要なのか、興味がある」と話している。